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  作成のコツ

 社内でパンフレットを企画する場合、陥り易い間違った取り組みがあります。納期を優先し、実務の進行を急ぐあまり、すぐデザインに着手してしまう、いわゆる“見切り発車”のケースが見受けられることです。使用目的、ターゲット、使い方、ストーリー構成、他のツールとの関連性などを十分吟味せず、ゴーサインを出す(実務が進行する)ことで、すっかり安心してしまう図式です。本来の企画段階では、営業活動やブランディングなど、自社の様々な企業活動を洗い直し、分析する必要があるのですが、誰もが社内の日常を周知の事実として捉えてしまい、詳しく顧みることを軽視してしまう傾向にあります。結果、中身を掘り下げることなく、デザインを新しくした、しっくりこないツールが完成してしまうことになります。このような事態に陥らないために必要なことは何なのか、紹介します。

●環境を徹底的に把握する

パンフレットの企画制作の第一歩として企業環境あるいは商品環境の把握に努めます。ここで言うところの企業環境とは、創業から今日までの歴史、その中でのエポック・メイキングな出来事、社名の由来、経営理念、ポリシー、コアとなるテクノロジー、その取り組み、商品やサービスの特長、設備や組織について、製造、開発、販売など・・・。部門毎の取り組みについて、お客様への具体的なアプローチの仕方、お客様からの問い合せ内容、クレーム対応、人材教育、社内コミュニケーション、競合他社との差別化ポイント、その他のストロングポイントや弱点など、多岐にわたります。また、商品環境とは、商品そのものはもちろん、技術、対象市場、ポジショニング、競合、ターゲット、営業方法などの一部始終を把握します。普段では掘り起こさないところまでリサーチを行い、現在の環境を浮き彫りにします。

●企業活動・販売行為の分析

 現在の環境を把握した上で、次に行うことは行動の分析です。

<会社案内の場合>

 創業から現在に至るまでの様々な取り組みを分析し、その実像に迫ります。事業の核となるものは何か、それはどんな技術やアイデアで出来ているか、それは社会に何をもたらし、どのような成果を挙げているか、それに携わる者たちのひたむきな姿は美しいか、未来へ向けてどんな可能性を秘めているか…などを探ります。そこから見えてくるのは、企業の魅力を凝縮したバイタリティ溢れる独自の企業感(アイデンティティ)やスピリッツであるはずです。

<カタログの場合>

 商品が売れる理由(販売支援要因)、売れない理由(販売阻害要因)について考察し、分析する作業に取り掛かります。販売の様々な角度から、支援要因と阻害要因を見つけ出し、ひとつひとつ検証します。たとえば、ひとつの支援要因がストロングポイントであれば、そこをさらに補強するプロモーションへ、逆に阻害要因が大きなネックになっているのであれば、それを排除するためのプロモーションへと導くことが可能になります。

●イメージ

 環境を把握し、行動を分析し、魅力を実感したところで、ツールの有り様について思いを巡らせます。パンフレットが理想的に使われている…つまりターゲットに届いている状況をイメージします。アプローチからクロージングに至る一連のプロセスにおいて、どの部分を占めるツールであるかが明確でさえあれば、ターゲットの心理状況をどう変化させたいか、手に取るようにシミュレートすることが可能です。また、逆に作り手の視点から読み手の視点になって、あるべき姿を想像すると、パンフレットの全体設計やストーリー構成(シナリオ化)が見えてきます。何が満たされていて、何が足りないかを見極めることも、盛り込むべきコンテンツの選択も容易に行えます。

●メッセージの開発

 パンフレットの骨組みが形成される段階において、そこに魂を注入する作業がメッセージの開発です。これまでのすべての取り組みは、メッセージを発見するための準備作業であると言えるでしょう。作り手がターゲットに想いを伝えるメッセージには、明快な“主張”や、新しい“発見”がなければなりません。“説明”や“紹介”では、作り手の想いが伝わらないからです。正しい企画の手順を踏み“説得力あるメッセージ”を開発することが出来た時、パンフレットの成功度は一気に加速します。

●全体設計

 導き出したメッセージを元に、コンセプトを構築し、ツールの全体設計に着手します。パンフレットの形態(装丁)、ボリュウム(ページ数)などを考慮しながら、メッセージが最も効果的に活きるビジュアル・アイデアや編集方法を検証します。ターゲットを説得するための情報の深度についても、配分を考慮します。いくつかのアイデアラッシュの中から整合性の高いアイデアを厳選し、方向性や趣の異なる具体的な構成案、もしくはデザインカンプ案へと落とし込みます。候補案のコンセプトは的確か?トーン&マナーは最適か?すべてのコンテンツや演出の細部にメッセージが反映される可能性は高いか?などをチェックし、あるべきツールとしての実像に近づけます。

●実務

 候補案の中から案が確定し、完成へと導きます。到達点が明確な、実行力のあるパンフレット実現に向けて、より洗練されたクリエイティブ・ワークが展開されることになります。

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Last update:2022/12/6

 

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